私は愛媛大学教育学部中学校教員養成課程を卒業後、33年間、東京都の美術教員として勤めてまいりました。美術室で見せる生徒の顔はいつも素直です。他の教科では見えにくい本音の部分を作品に表現してくれました。「ものをつくる」という行為は人間の本能の中にあるものだと思います。どの作品にもそれぞれの個性が光ります。しかし、その教員生活を通していつも気にかかっていたのは、中学生という敏感な年代に自己肯定感を持てず、輝きを失いかけている生徒たちの存在でした。授業の空き時間や放課後を通して、不登校生徒や勉強をあきらめかけている生徒の個別学習をわずかながら進めてきました。生徒たちは美術的な造形活動や基礎の学習を進める中で少しずつ、自信を取り戻し、自分なりの目標を見つけて成長していきました。そして、苦労を乗り越え前進した生徒たちの笑顔は輝いていました。そんな子供たちの笑顔を増やしたいと2022年の春、「らしく」の創設に至りました。コロナ禍で子供たちのストレスは増加し、より一層、子供たちの心の問題は増えてきています。一人ひとりの心に寄り添いながら、お子様の成長のお手伝いが出来たらと願っています。不登校は特別なものではありません。誰だって、いつだってなりうるものです。大人だって家から出られなくなることはあります。その原因はそれぞれ違う上、複合的だと思います。原因を探って悩むよりもまず、一歩踏み出しませんか。

家庭教師の「らしく」代表 越智由香

愛媛大学教育学部卒業 中・高学校教員免許(美術)・小学校教員免許(全科)取得

平成元年4月~令和4年3月 東京都公立中学校勤務(美術)

平成4年4月家庭教師の「らしく」創設